休日だけは歩行者天国となるこの通り。
いつもなら友人と歩くが、一人だと行動する分には酷く楽だ。
店内で見失ったと焦ることもなければ、少し気になった店に入ることを躊躇することもない。
だが、やはり良いものを見つけたときに話す相手がいないのは、寂しい。
一抹の寂しさを抱えながらも香穂子はウィンドウショッピングを楽しんだ。
一通り歩いて気がつけば昼をすぎたかどうかの頃。
少し空腹を感じて何処かで食事を摂ろうと進路を変えた。
「お願いしますっ」
数歩歩いたところで元気良く差し出されたチラシを思わず手に取った。
見れば最近出来たアクセサリーの店。
(うーん)
どちらもすぐ行かなければいけないわけではないが、気にはなる。
(アクセサリーの店へ)
(カフェへ)